「なんちゅうか本中華」に似てるラーメンはこれだ｜“あの味”を再現できた袋麺を徹底検証

「なんちゅうか本中華」。この言葉に懐かしさを感じる方は多いのではないでしょうか。

かつてハウス食品が販売していた袋麺「本中華ジャン」は、その香りと味の完成度から“伝説のラーメン”と呼ばれ、今も多くの人の記憶に残っています。

しかし、すでに廃盤となって久しく、あの味にもう一度出会うことは難しい──そう思っている方も多いはず。

本記事では、「なんちゅうか本中華」に最も似ているラーメンを本気で探し、香り・スープ・麺の再現度を比較しました。

さらに、自宅で再現できるカスタマイズレシピも紹介。

懐かしいあの一杯を思い出したい方に向けて、今の時代に手に入る“本中華ジャンの後継”を丁寧に解説します。

なんちゅうか本中華とは？伝説の袋麺を覚えていますか

この記事では、かつて多くの人の記憶に残った伝説の袋麺「本中華ジャン」の魅力と、その味に似ているラーメンを徹底的に探します。

まずは、「なんちゅうか本中華」というキャッチコピーとともに日本中に知られたあの名作を、少し懐かしく振り返ってみましょう。

CMで話題になった「本中華ジャン」とは

「なんちゅうか本中華」という印象的なフレーズを覚えていますか。

大橋巨泉さんが出演したテレビCMは、派手さはないのにどこかクセになる語感で、放送から何十年経った今でも人々の記憶に残っています。

当時のハウス食品は「中華料理店の味を家庭で楽しめる即席ラーメン」として本中華ジャンを発売。

説明的すぎないキャッチコピーと、しっかりとした味わいが一体となって「感覚で伝わるおいしさ」を生み出しました。

まるで、湯気の奥から漂ってくる香りまで映像で再現できそうな、そんな存在感のある袋麺だったのです。

味の特徴と、なぜ記憶に残るのか

本中華ジャンの一番の特徴は、鼻に抜ける独特の香りでした。

液体スープを使用していたことで、粉末タイプでは再現できない奥行きと香ばしさを実現。

さらに、麺は平打ちで透明感があり、ツルツルとした喉ごしが印象的でした。

スープの香り、麺の食感、そして食後に残る余韻。

そのすべてが「いつものラーメンとは違う」と感じさせるものでした。

特徴	内容
スープ	液体タイプで香り高く、XO醤のような深み
麺	平打ちでツルツル、コシが強い
香り	中華料理店のような独特の芳香
印象	「家庭で食べたのに外食級の味」

子どもの頃にこの味に出会った人は、まさに“初めての衝撃”として記憶に刻まれているのではないでしょうか。

それだけに、販売終了の知らせがないまま棚から消えたことが、より深いノスタルジーを生んでいるのです。

なぜ「なんちゅうか本中華」の味は唯一無二だったのか

なぜこの袋麺だけが、ここまで語り継がれるのでしょうか。

そこには、当時としては画期的だった製法と、他にはない香りの設計が隠されています。

液体スープが生んだ奥行きと香り

1980年代、即席ラーメンの多くは粉末スープが主流でした。

そんな中、本中華ジャンは液体スープを採用。

これにより、炒めた香味油や醤油のコクをそのまま閉じ込めることができ、湯気とともに香りが立ち上る体験を実現しました。

一口目から鼻に抜けるあの感覚は、まさに中華鍋で炒めた香ばしさを再現していたと言えます。

比較項目	粉末スープ	液体スープ
香りの強さ	やや弱い	非常に強い
味の立体感	単調になりがち	多層的で深みがある
油分の再現	難しい	炒め油の香りまで再現可能

平打ち麺のつるみと食感の秘密

さらに見逃せないのが、平打ち気味の麺。

一般的な即席麺が縮れ麺だった時代に、平打ちでツヤのある麺は非常に珍しいものでした。

スープをまといやすく、噛むたびにツルッとした食感が心地よい。

この「口の中で滑るような麺」が、家庭用ラーメンの常識を変えたとも言われています。

香り・スープ・麺の三拍子が揃った結果、「家庭で味わえる本格中華」として多くの人の心を掴んだのです。

特徴	一般的な袋麺	本中華ジャン
麺の形状	縮れ麺	平打ちストレート麺
喉ごし	少し重め	ツルッと軽快
スープの絡み	やや薄い	しっかりと絡む

こうして本中華ジャンは、味覚だけでなく五感で楽しめる袋麺として、多くの人の記憶に残る存在となったのです。

「好きやねん」は似てる？味・香り・麺を徹底比較

かつて本中華ジャンを販売していたハウス食品は、現在も「好きやねん」という袋麺を展開しています。

一部では「これが本中華ジャンの後継では？」と言われることもありますが、実際のところどれくらい似ているのでしょうか。

ここでは実際に食べ比べ、香り・スープ・麺の3点から徹底的に検証しました。

調理中の香りで感じた違和感

まずキッチンに立ち上る香りの時点で、違いは明らかでした。

「好きやねん」を鍋で作ると、湯気に混じって漂うのはソースのような酸味。

ラーメンというより、お好み焼きの香りを思わせるような不思議な感覚で、「あれ？」と感じた瞬間に懐かしさは遠ざかってしまいました。

どうやらスープ粉末に含まれる調味料がソース系の香りを強く出しているようです。

比較項目	本中華ジャン	好きやねん
香り	中華鍋のような芳香	ソース系の酸味
スープタイプ	液体スープ	粉末スープ
印象	中華料理店の香ばしさ	関西風ソースの風味

この香りの違いが大きく、食べる前から「似ていない」という結論が見えてきました。

スープと麺の方向性の違い

スープを飲んでみると、その印象はさらに強まります。

「好きやねん」は醤油ラーメンというより、ウスターソースを薄めたような酸味のある味わい。

液体スープによる奥行きや香味油の風味はなく、味の層が平坦に感じられました。

麺も一般的な縮れ麺で、食感や喉ごしに特別感はありません。

要素	本中華ジャン	好きやねん
スープのコク	深く複雑	単調でやや酸味あり
麺の形状	平打ちでつるみあり	縮れ麺で普通
食感	なめらか	やや粉っぽい

つまり「好きやねん」は方向性そのものが異なり、本中華ジャンの代替としては成立しないという結論に至りました。

本中華ジャンの代替としては厳しい理由

似ていない理由は単純です。

「好きやねん」は関西ローカルの家庭向けラーメンであり、甘めの醤油と酸味が特徴。

一方の本中華ジャンは、中華料理店のような香ばしさを重視しており、味の世界観がまったく違うのです。

香り・麺・スープの三要素のどれをとっても、共通点を見出すのは難しいと感じました。

「本中華ジャンを思い出したい」という目的なら、「好きやねん」は残念ながら別路線の味と言えるでしょう。

比較まとめ	評価
香りの再現度	★☆☆☆☆
スープの近さ	★☆☆☆☆
麺の食感	★★☆☆☆
総合的な再現度	★☆☆☆☆（ほぼ別物）

「中華三昧」は本中華ジャンの継承者か？

次に検証したのは、明星食品の高級袋麺シリーズ「中華三昧」です。

この商品は液体スープを採用し、麺も平打ち気味という構造的な共通点があります。

果たしてその味は、本中華ジャンの再現と言えるのでしょうか。

液体スープの完成度と再現力

調理してまず感じたのは、湯気に立ち上る中華鍋のような香ばしさでした。

粉末スープでは出せない香りの層があり、まさに「懐かしいあの感じ」が一瞬で蘇ります。

液体スープが香味油の熱で広がる瞬間、脳裏に当時の食卓が浮かぶほどの再現力です。

比較要素	本中華ジャン	中華三昧
スープ構成	液体スープ	液体＋粉末のW構成
香りの方向性	香味油とXO醤のような香り	非常に近い香り
麺の形状	平打ちツルツル麺	やや平打ちで弾力あり

スープの味わいは、まるで本中華ジャンの進化版のようでもあり、記憶にある味の“方向性”が確かに一致していました。

XO醤の香りに宿る懐かしさ

「中華三昧 広東風醤油味」のスープを飲むと、最初にふわっと広がるのがXO醤（高級中華調味料）の香りです。

これが本中華ジャンの香りと驚くほど近く、懐かしさを呼び起こすポイントになっています。

香りの厚みと旨味の重なりが、まるで昔の味を再現しているかのように感じられました。

「これだ」と思える瞬間があるのは、中華三昧だけだったと言っても過言ではありません。

「似ている」と感じた決定的なポイント

中華三昧が他の製品と一線を画す理由は、「香り」「麺」「スープの構造」の3点が一致しているからです。

液体スープ＋平打ち麺という共通構成に加え、XO醤の香ばしさが記憶を刺激する。

その組み合わせが、あの頃の「家庭で味わう外食級のラーメン」を見事に再現していました。

要素	再現度
香りの近さ	★★★★★
スープの構造	★★★★☆
麺の再現度	★★★★☆
総合満足度	★★★★★（本中華ジャンの記憶を呼び戻す）

結論として、「中華三昧」は“本中華ジャンの正統な継承者”と呼んで差し支えないでしょう。

あの味をもう一度味わいたい人には、間違いなく試してほしい一杯です。

「本中華ジャンに近いラーメン」おすすめランキング

これまで比較してきた中から、「これは近い」と感じたラーメンをランキング形式で紹介します。

香り・スープ・麺の再現度を総合的に評価し、あの懐かしい味にどれだけ迫れるかを基準にしています。

第1位：明星 中華三昧 広東風醤油

堂々の第1位は、やはり中華三昧 広東風醤油です。

液体スープの厚み、XO醤のような香り、平打ち麺のツルミ──どれをとっても本中華ジャンの記憶に最も近い存在。

食べると自然に「あの味」を思い出す、まさに“記憶をつなぐラーメン”です。

項目	評価
香りの再現度	★★★★★
スープの深み	★★★★★
麺のツルミ	★★★★☆
総合満足度	★★★★★

特に、香味油が湯気とともに広がる瞬間の香りは、本中華ジャンを知る世代には胸に刺さるはずです。

第2位：日清 ラ王 醤油

続いて第2位は、日清食品のラ王 醤油。

ノンフライ麺のもっちり感や液体スープのコクなど、総合的な完成度は非常に高いです。

ただし香りのベクトルがやや違い、やや洋風寄りの醤油風味に感じられます。

項目	評価
香りの再現度	★★★☆☆
スープの深み	★★★★☆
麺の食感	★★★★★
総合満足度	★★★★☆

方向性は少し違うものの、麺とスープの完成度は非常に高く、現代的な“アップデート版の中華ジャン”としても楽しめます。

第3位：マルちゃん 正麺 醤油味

第3位はマルちゃん 正麺の醤油味。

ノンフライの生麺風食感が特徴で、喉ごしやコシの強さは本中華ジャンを彷彿とさせます。

ただしスープが少し甘めで、香りの方向性が異なるため、懐かしさという点では少し距離があります。

項目	評価
香りの再現度	★★☆☆☆
スープの深み	★★★☆☆
麺の再現度	★★★★☆
総合満足度	★★★☆☆

まとめると、再現度で見れば中華三昧が圧倒的ですが、ラ王や正麺も「近い方向性の味を楽しめる」選択肢としておすすめです。

あの味を再現するカスタマイズレシピ

ここでは、自宅でより本中華ジャンに近づけるためのカスタマイズ方法を紹介します。

中華三昧やラ王をベースに、ちょっとした調味料を加えるだけで再現度がぐっと上がります。

スープを近づける調味料の組み合わせ

スープの奥行きを出すには、XO醤・オイスターソース・ごま油の3点セットが効果的です。

どれも中華料理に使う定番調味料ですが、加えるタイミングがポイントになります。

調味料	加える量	タイミング
XO醤	小さじ1/2	スープを注ぐ直前に
オイスターソース	小さじ1	液体スープに混ぜる
ごま油	数滴	盛り付け後に香りづけとして

この組み合わせでスープのコクと香りが重なり、本中華ジャン特有の「中華鍋で炒めたような香ばしさ」が再現できます。

XO醤やごま油で香りを補う方法

香りをより強くしたい場合は、香味油を自作するのもおすすめです。

ごま油を小鍋で温め、刻みニンニクとネギを軽く炒めるだけ。

これをスープに数滴垂らすと、湯気の中にあの懐かしい香りが立ち上ります。

材料	分量
ごま油	大さじ1
刻みネギ	少々
刻みニンニク	ひとかけ分

炒めすぎず香りを立たせる程度で火を止めるのがコツです。

このひと手間で、懐かしさが一気に蘇ります。

つまり、中華三昧をベースにこのアレンジを加えると、“ほぼ本中華ジャン”に限りなく近づけるというわけです。

まとめ：「中華三昧」は“本中華ジャンの記憶”をつなぐ一杯

本記事では、伝説の袋麺「本中華ジャン」に似ているラーメンを徹底的に探し、複数の商品を比較しました。

結果として明らかになったのは、当時の味をそのまま再現するのは難しいものの、“中華三昧 広東風醤油味”が最も近い存在だということです。

液体スープの香ばしさ、XO醤のような旨味、平打ち麺の喉ごし──これらすべてが、あの「なんちゅうか本中華」の記憶を自然に呼び戻してくれます。

比較ポイント	再現度
香りの厚み	★★★★★
スープのコク	★★★★★
麺のツルミ	★★★★☆
懐かしさの再現	★★★★★

「好きやねん」や「正麺」なども魅力的な商品ではありますが、方向性が異なります。

一方で中華三昧には、懐かしい香りと味の“記憶の輪郭”が確かに宿っています。

もしあなたが「あの味、もう一度食べたい」と思うなら、まず中華三昧を試してみてください。

そして、XO醤やごま油を少し加えるだけで、“あの頃の一杯”にさらに近づくはずです。

記憶に残る味というのは、単なる食べ物ではなくその時代の空気や家族の風景まで思い出させてくれるものです。

「中華三昧」をすすりながら、ふと懐かしい香りに包まれる──。

そんな時間こそが、あの“なんちゅうか本中華”をもう一度体験する瞬間なのかもしれません。